記英国工党與社会党之関係 (楊守仁)
(英国労働党と社会党との関係について)
A
ヨーロッパ近代の革新された政治の動機を論ずるならば、必ずや宗教改革をその発端となすだろう。
イギリスの革命、合衆国の独立、その原動力は清教徒の増加に始まる。
こうして十九世紀に至って、(ヨーロッパの人々は)哲学思想を用いることによって社会主義を孕み育てた。それは変化の度に進歩し、今に至るまでヨーロッパ中に広がっている。
いわゆる実証主義、いわゆる無政府主義はみな馬が走るように勇ましく、宗教に代わって人々に大希望をうち立てようとしている。実証哲学と無政府主義との両者は、ほかの哲学思想とは異なって、特別に優れたものであると自らを主張しているけれども、しかし社会主義とは実のところ親族関係にあり、且つ度々接触している。
確かに社会主義は、ヨーロッパ思想界に広く深く染み込んでいる。しかもそれは、一朝一夕のことではない。
二十世紀のヨーロッパ各国では皆、今まさに大きな革命があることだろう。その建設と破壊とは、みなまさに哲学・思想の力をもって取り行われることだろう。
思うに、実証哲学の思想家は、あるいはまさに建設者の前身となるのかもしれない。思うに、無政府主義の思想家とは、あるいはまさに破壊者の勇将になるのかもしれない。
国を担おうとする者の中で、いやしくも旧弊な因習を打破しようというほどの人であるならば、この二家(実証哲学と無政府主義と)を併せて一つにし、その良くないところを一々あげつらわず、その本意を汲むべきである。
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