トップへ

はじめに へ @ABCDEFGHIJKLMNPQRS㉑㉒ 

 

記英国工党與社会党之関係 (楊守仁)      

(英国労働党と社会党との関係について)

 

O

耐可は言う。近年、我が国民は、日本の立憲国家としての成功を羨み、盛んに讃えている。しかしここで言われる「憲法」「法律」という言葉は、附和雷同しているに過ぎず、まるで一つの口が叫んでいるかのようだ。

 また、胡散臭い政治屋どもは、これらの言葉を大いに宣伝してまわり、「維新の第何番目かの英雄(=明治維新での伊藤や大久保、西郷らのような:ゆり子)」だと自分をなぞらえることで、期待した以上の出世が転がり込んできはしないかと、望んでいる。

 

 そして現在、「法律」や「秩序」などの言葉が氾濫し、国民の頭を日々混乱させている。

 政府は国民に号令する。「憲法! 憲法!」

 資政院のバカ者たちは「国民の代表」だと自らを詐称して叫ぶ。「立法! 立法!」

 議案や法律ばかりがいたずらに積み上がり、政治屋どもは、実行不可能と知りながら、大衆を煽り立てる。「どうする、どうする。うまいこと立憲国家に生まれ変わらないと、『化石』(=前世紀の遺物:ゆり子)として列強に滅ぼされてしまうぞ」

 

 しかし「公共」とは、そもそも誰の利益を保護しようとするものなのか、何人(なんぴと)の「権利」を拡張しようとするものなのか。一番肝腎なことを知ろうともしないで、その意気揚々として得意なさまよ。救国の良医でも自任しているつもりなのか。

「公共」(「主権」ということではないか?:ゆり子)という概念をなおざりにして、いわゆる「憲法」や「法律」や「秩序」を言う者は、是非善悪・ものの道理が転倒してしまっているに過ぎないのだ。売国奴のパスポートを作るよりは、むしろ、かき集めて砕き、火にくべてしまうべきであろう。

 

 

 

 

ゆり子註

(資政院)

 一九一〇年十月に正式に開院した、預備立憲期の中央諮議機関。メンバーは百名で、清廷の指名と各省諮議局の推選とによる。総裁二名は王公と大臣。予算・決算・税法公債・法規の制定・大臣の弾劾について話し合うが、議決事項は皇帝に奏上して、その可否を仰ぐことになっていた。ブルジョア民主主義の議会に似せているが、実際は政府の御用機関である。(『辞海』による)

 

ゆり子蛇足

 ここで言う「公共」という語に、篤生は「主権」という意を込めているのではないだろうか。

 国民に主権もないのに憲法制定? いくら為政者の恣意的行為を憲法によって制限する立憲国家としての形をとっても、欽定憲法では憲法自体が恣意的なものになる。清朝が定めようとした憲法は、欽定憲法である大日本帝国憲法を手本にしているが、篤生がこの明治憲法を軽蔑していることについては、HIを参照されたい。

 

 

 

Pへ

 

 

トップへ