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記英国工党與社会党之関係 (楊守仁)      

(英国労働党と社会党との関係について)

 

I

今日の東アジア情勢は、風雲急を告げている。我が国民よ。旗印を執り進撃の太鼓を撃って、自立のための戦いに身を投じるのだ。今すぐ社会を改造せよ。今すぐ新たな国家を建設せよ。身も心も擲って、何としてでもこれを成し遂げなければならぬ。

 

 石を銜えて海を埋めようとするような難事ではあるが、しかしいつの日にか、この無謀な企ても報われる事であろう。その暁には世界中の無政府党員が、ともに杯を挙げて祝ってくれるに違いない。 

 

 万が一、不幸にも国家が滅んでしまえば、外来の偏狭で苛烈な、誤った国家主義が横行し、未来永劫に渡り子孫を縛る楔となってしまうことであろう。ポーランドやユダヤの民の悲劇を見るがいい。

 

 しかし、もし四億人が肩を組んで、共に外来の誤った国家主義と戦うのならば、きっと黄金世界の出発点の一つを作り上げることができる。それは誰のためでもない、私たち自身のための行為なのである。

 

 我が国民は現在、無政府主義という優れた思想に、必ずしも十分触れてはいないが、いつまでも国民を舌先三寸でだませるはずがない。

 

 もしも彼の英国独立労働党が、無政府党とさらに固く手を携えるところまでいたれば、すなわちそれは、今の地球上で誤った愛国論を真実のそれと偽ることなど、決してできないと証明する結果となるであろう。

 

 政治的な平等は、イギリスやアメリカのような先進国家であっても、切に自由を求める個人の欲望を満たすほどには十分とは言えない。

 

 況んや、欽定憲法だの万世一系だのの妄説を拾い集め、国民の自由や権利を巧妙に削り取り、いつの間にか隠蔽してしまおうとするような国家においては、どうであろうか?

 

 つまらぬ思想や恥知らずの人物を尊ぶがゆえに、このような愚かな過ちを犯すのである。

 政党を名目にして国民に自己犠牲を強いる協力を呼びかけるのは、余りに卑劣な所業ではないだろうか。

 

 

★石をくわえて海を埋める

炎帝の娘が、海で溺死したことを憤り、精衛という鳥に生まれ変わって、石をくわえて海を埋めようとしたという伝説に拠る。ちなみに、黃興は楊篤生を「有類精衛」と評している。

 

 


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