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記英国工党與社会党之関係 (楊守仁)      

(英国労働党と社会党との関係について)

 

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無政府党は既に一切の強権を排斥している。そして警察という代物は、ほしいままに強権の走狗にさせられている。当然、警察は、無政府党員に対して陰謀を企てる。それゆえ党員は、警察を非常に恨み、憎む。

 マラテスタ氏は警察を、行政機構の中でも非常に有害な一職業集団だとして、否定している。

 思うに、無政府主義の思想上から、あるいは実践上から鑑みても、他の全ての職業集団は、警察という集団とは相容れない。英国社会党員も、この点では無政府党員と見解を同じくしている。

 

 去年の冬、ロンドン東方の翰笛墀街で、ロシアの無政府党員が逮捕を拒み、英国警官数人を射殺した。このため軍は、一小隊を出動させて党の住居を包囲し、数時間にわたり抗戦するに及んだ。この事件でロンドン市民は、初めて大いに驚き恐れた。

 

 今年一月十四日、社会民主政治党機関紙『公道』は一つの論文を掲載した。

 「今回の無政府党の事件は、一部分はロンドン警察の不手際に帰される罪で、一部分は万国国事犯偵探(敢えて意訳すれば、国際政治犯捜査機構といったところであろうか。今の日本の公安や米国のCIAのようなものが、二十世紀初頭のヨーロッパで暗躍していたのかもしれない。少なくとも、彼らはそう信じていた)の煽動に罪が帰せられるものである。かの万国国事犯偵探は、常にこのロンドンという、各国の政治犯の避難所を破壊しようとしていて、そのためにロンドン警察をそそのかしたのである。

 ロンドン警察は、法と秩序とを防衛して生命を犠牲にしたのであるが、万国国事犯偵探の煽動という汚点を鑑みるに、非常に恥ずべきだと断ぜざるを得ない」と。

 

 また、英国ウェールズのストライキ事件については、社会民主政治党機関紙と労働党機関紙とで、以下の宣言をともに出した。「今回の一切のウェールズにおける人命と財産との損失は、みな警察が挑発したために起きたことである」と。そして下院議員へ「警察の暴挙」と題するビラを送付した。彼等はこのように、警察を憎んでいるのである。

 

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