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    多摩丘陵から 〜日記のようなもの       
     
    2017年4月 5日 15日 22日
     
    ●4月5日(水)
     宋遯初君、生誕135年。
     柳の青める春の日。
     
     
     
     
    ●4月15日(土)
     昨日、地元の駅前でツバメを二羽発見。それで諦めがついた。もう、あの子たちには会えないんだ。
     ツグミは二週間、ジョウビタキは三週間、見ていない。いるのはたいてい公園だし、公園には週末しか行けないし、行ったところで必ずいるわけでもないし。たまたま会えないでいるだけ。だってまだ、ツバメも来ないし……。
     と、自分に言い訳していたのだけれど。
     
     ツグミはともかく、ジョウビタキはあんな小さな身体で、どこまで帰るのだろう。 
    手許の図鑑には、「アジア東部」とあり、「北海道の繁殖例もある」というから、そんなに遠くへは行かないのか。なお、ツグミは「アジア大陸の亜寒帯」とのことで、もう少し遠くまで行くのだろうか。
    千歳村のヒヨドリは、夏は山へ避暑に行くとのことで、姿を見ることはなかった。けれどもこの多摩丘陵では、ヒヨは一年中いる。つまりここは「山」だったわけで、渡りをするからといって、必ずしも遠路はるばるというわけでもなさそうだ。
    愛らしいジョウビタキさんたちは、どこで夏を過ごすのだろう。
     
    いずれにせよ、あの子たちは「ここは暖かいね」と日本へ来るんだ。どう思います、ツバメさん?
     
     
     
     
    ●4月22日(土)
     昨日、ツグミがいた。数羽のムクドリが植え込みを出たり入ったりしていると思ったら、そこにツグミが一羽、交じっていた。
     思わず立ち止まって、話しかけてしまった。
     「君、だいじょうぶ? 帰らなくていいの? みんなもう、帰っちゃったんじゃないの?」
     このまま留まって、ムクさんたちと一緒に生きていくかい?
     君がそれでいいなら何も言わないが、ここは夏は40度近くなるからね、覚悟がいるよ。