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    多摩丘陵から 〜日記のようなもの       
     
    2012年2月 5日 25日
     
    ●2月5日(日)
    カスタネッツの「君を想う」はいい曲だ。情景がはっきりと浮かび、心情が胸に迫る。ちょっと聴くとラブソングのようで、実際ラブソングなのだが、けれどもよく聴くと、状況が変だ。
    君を想う。日常のちょっとした瞬間瞬間に、「胸の奥の 真ん中で ゆっくりと 君を想う」。「君をなぞりながら」日々を重ねる。そして「安らぐんだ」。けれどもおそらく、「君」はいないし、会うことは二度とない。
    こんな状況が成り立つのは、長年連れ添った配偶者に先立たれた場合しか考えられない。そして元ちゃんの場合それは、まるさんとしか思えない。15年をともに暮らし、数年前に旅だったおじいさん猫だ。
     
    何年経っても変わらない。わたしの犬がいなくなって15年経つが、今でも泣く。老犬には弱い。そんなもんだ。
     
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    今日は少し楽だが、連日寒い。氷点下5度は当たり前。朝7時台に洗濯物を干すと、薄いブラウスだけでなくバスタオルも凍る。雪が降ってずいぶん経つのに、まだ溶けずに残っている。
    楽しい。
     
     
     
     
    ●2月25日(土)
     小石川橋が明日開通する。
     架け替え工事をするということで通行止めになったのが、一昨年の5月。以来ずっと、工事の進捗状況を何となくながめてきた。本当はもっと早く終わるはずで、「あと一週間なのにまだこんな具合で、どうするんだろう」とよそ事ながら心配していると、看板にある日付がぐんと伸びる、というのをたぶん2回はしている。「2月20日まで」とあるで楽しみにしているのに、橋はできていてもまだまだたもとの歩道は土が舗装の途中で、どうなるのかと思ったら、「2月26日12:00開通」と時刻まで明記されたので、今度こそは本当だろう。
    知らなかったのだが、元の小石川橋は昭和初期に架けられた、いわゆる「震災復興橋」だったそうだ。なるほどそれなら、架け替えられても仕方ないか。どうやら神田川の河川工事のため、水位と橋の高さとが合わなくなったらしい。
    「震災復興」と言われるとちょっともったいない気もするが、そういう事情ならやむを得ないだろう。
    わたしが悲しかったのは、橋自体ではなく、たもとにあった白モクレンの木だ。毎年花をつけるのを楽しみにしていたのに、無惨に伐られ、細切れになって車に積まれているのを見たときは、切なかった。
    けれども一昨日通ったら、たもとに細い木が2本植えられていた。葉はないし、幹もぐるぐる巻きにされているから、何の木か分からないけれど、ひょっとしたらモクレンかもしれない。
    また花を見られるといいな。