明治三十九年(1906年)一月一日

 

●支那留学生への訓示

支那留学生事件も漸く平穏に帰せんとするの形勢あり関係諸学校にては此際尚学生の将来に就て戒飭するの目的を以て協議の上左の訓示を発したりと云ふ

 

支那留学生会の大勢漸く平和に趨き多数学生は皆学に嚮はんことを期すと聞く是学界の爲め深く慶せざるを得ざる所なり

清国公使は諸関係学校と熟議し陽一月十一日を期して開課せんことを定め務めて事実を誤ることなく各其校に帰り学に就かんことを一般学生に向つて勧諭せられたり惟ふに東方の前途に就ては諸子の責任や重且大なり切に望む互に善を責め大局に顧み小嫌を棄て既往に鑑み将来を慎み専心学業に励み趨向を正うし以て諸子遠遊の初志を貫徹せんことを

 

 

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