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多摩丘陵から 〜日記のようなもの      

 

2017年6月  15日 25日 

 

●6月10日(土)

 今朝、ホトトギスを聞いた。公園の池の水面を、ツバメたちがつんつんと蹴って飛んでいた。虫でも捕っているのか。

 ツバメといえば、ヤクルトは今日も負けて10連敗。なんでもいいさ。これを笑えないでヤクルトファンなんかやってられるか。

 もともと、アウト一つとか、ストライク一つとか、ヒット一本とか、そのくらいで優勝したみたいに大喜びできるのが、ヤクルトファンの良いところだ。わたしがヤクルトを好きになったのは、関根さんのとき。なんて楽しそうな人たちだろうと思ったのがきっかけだ。それから野村さんになって、楽しいだけじゃなくて勝つ喜びも教わったけれど、でも、底にあるのは楽しさだから。

 優勝しなきゃとか、日本一にならなくては、喜ぶことができない人たちは、気の毒だと思う。

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 ちょっとした経緯があって、許順富著『湖南紳士與晩清政治変遷』(湖南人民出版社、2004年)なる本を読んでいるのだけれど、これも楊篤生を進士だとしている。調べたわけではないけれど、刊年が最近であるほど、彼を進士としているものが多いように思う。

 でも、わたしは彼は進士になっていないと考えている。以前にも書いたと思うが、改めて主張しておきたい。

 進士説の根拠は分からない。曹亜伯『武昌革命真史』に弟・殿麟が書いた伝記として「戊戌一試春官」とあるけれど、意味不明。

 わたしが進士説をとらない根拠は三つ。

@楊昌済先生が書いた伝記に、十五で生員、丁酉(1897年)に抜貢になり、同年、挙人になったことは書いてあるが、進士及第には触れていない。同族の佳き士人としての篤生を記すものだから、落とすとは思えない。

A進士題名録にない。わたしはこれを何度も繰った。前から後ろから、日を変えて何度も。でも、彼の名は見つけることができなかった。蔡元培はあったのに。

B湖南の変法派の新聞『湘報』にある、戊戌の会試及第者の速報にも名前がない。篤生は変法派の主要メンバーの一人だから、及第していたら洩らすわけがない。

 

わたしは彼を、たいへん優れた人物だと思っていて、だから、「丁酉に抜貢、さらに挙人、そして翌・戊戌の会試で一発合格!」となれば、「わーい、やっぱりすごい人なんだ!(拍手)」となる。でも、どうしても、そうは思えないのだ。別に官界で活躍したとか、したいとか、という話ではないし、科挙による身分なんてどうでもよいことなのだが、それでも気持ちの悪さは残る。

 

本当のところ、どうなんでしょうね。

 

 

 

 

 

●6月15日(木)

 樺美智子さんが岸に殺された6月15日、その岸の孫が民主主義を殺す。

 

三大自由が侵される。篤生が知ったら、どれだけ痛烈に罵るか。

 

 多数決なんだから、どうせ多数で決まるのだから、議論は必要ないと。

 ジャン・ジャックは多数決を否定しているよ。

 第一、代議制では白紙委任だから個別の案件についてわたしたちは意見を表明できない。そこを補うための手段の一つとして正当な権利であるデモ(中学校くらいの社会科で、そう習うよね)を、奴らはテロと同一視して抑えようとする。なんだ、そりゃ。

 

 国連のTOC条約担当の人が、こんな法律はいらないと言っているし(そもそもこの条約は、対テロではなくマフィアなどの経済犯罪のためのもの)、この法律じゃ個人によるテロは防げないし。

 共謀罪じゃ反対が多いから、「テロ」ってつければいいよって、それで本当に通ってしまうのだからすごい。

 

 どこの独裁国だ?

 恐いよ。

 

 

 

 

 

●6月25日(日)

 もう1週間になるのか。

 先週の今日、元ちゃんのライブに行った。一人裸眼のワンマン。つまり、全くの元ちゃん一人きり。しかもピアニカだの何だのなしで、アコギ一本だけ。

 定員50人で予約番号40番以降は立ち見の可能性大ということで、わたしは30番台後半だったけれど、入ってみたらまだ前の方にも空席が幾つもあり、空いてますかと訊くと空いてるというので、通路がないから前に詰めなきゃ後から来る人が困るだろうと……前から2番目に座ってしまった! 端とはいえ、至近距離もいいとこ。近過ぎる!

 ということで、戸惑いはあったけれど、すぐに慣れた。

 

 元ちゃん、寝具の選択を誤ったとかで風邪っぴき。まずいのは喉だけで、ほかの症状はないとのこと。選りに選って、のど! 出る声と出ない声とがあるとのことで、謝りながら、探りながらだったけれど、問題なかったよ。本人は苦しかったのだろうけど。

 

 と、外側のことばかり書いているのは、実はよく憶えていないから。あっという間だった。ただただ、楽しかった。

 アコギ一本だから、イントロがおもしろかった。聞き慣れない音の中から、よく知っているメロディーが出てきた瞬間、思わずほほがゆるんでしまう。

 なにを演ったかな。思い出せない。早い時点で「夕暮れ」。「君を想う」とか「モノクローム」とか、大好きな曲がたくさんあった。

 幸せだったな。あまり繁く行くことはできないけれど、できる限り会いに行きたいと思う。

 がんばれ、元ちゃん。

 

 

 

 

 

  

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