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多摩丘陵から 〜日記のようなもの      

 

2014年1月 1日 2日 3日 31日

 

●1月1日(水)

 朝、家中のカレンダーをめくって回ったが、例年ならこの日にはめくらない月暦カレンダーをもめくった。

 今日は、陽暦1月1日で、月暦十二月一日。こういうことは珍しいのではないか、少なくともわたしが月暦カレンダーを使うようになってからは初めてだと思ったら、やはり次に同様のことが起きるのは2033年だそうだ。太陽のリズムと月のリズムとがほぼ一致するのが、19年に一度のことだからだとか。

 何でもないことだけれど、ちょっとおもしろい。

 

 日の出る少し前に家を出て一番近いお宮に寄り、ここに住まわせていただいている感謝を述べてから、都心へ移動。以前から時々お世話になっている寺社へ。障りがあるので詳しくは書けないが、お寺さんはとてもよかった。ここにお参りできたことで、なごやかな気持ちになれた。

 

 帰宅して食事をとり、一寝入りしてから、一人で散歩に出る。

 公園でエナガの群れにあった。

 わたしにとってはこの鳥は、カワセミと並ぶスターだ。あるいはカワセミ以上かもしれない。

 カワセミの柿のようなお腹と文字通り翡翠色の背中とは、なんのためにここまで美しく創られたのかと不思議に思わざるを得ないし、獲物を狙って水中を見つめ、トップーンとダイブ! というのも、見ていて飽きない。まさに野鳥界の大スターだ。

 でもエナガの良さは、カワセミほどには解りにくい。夫に対して熱弁をふるい、写真や動画を見せても、「ああ、かわいいね」と言ってくれはするが、今ひとつピンとこないようだ。カワセミには反応するのに。

 これは実際に見てもらうしかないと思う。わたしは彼らを表現することばを持っていない。スズメよりずっとずっと小さくて、しっぽがピューンて長くて、と幼児のように繰り返すしかない。

 ちょろっとネットで調べたら、あの愛らしさには案外ファンが多そうだ。体重8グラムはスズメの半分もない。日本で2番目に小さい鳥だという話もあった。

 

 カワセミは善福寺川などでも見ていたけれど、エナガを知ったのは多摩に越して来てからだ。

 良い所に住んでいるなと、改めて思う。

 

寒いけどね。冬の最低気温は、都心と5度は違うけどね。

 

 

 

 

 

●1月2日(木)

 今日はいつもの公園ではなく、ぎりぎり徒歩圏の大きな公園へ。

 カルガモたちに交じって、マガモが一羽、ヒドリガモも一羽。

 この地に来て5回目の冬だが、こういう渡るカモが来てくれるようになってうれしい。

 

 ショッピングセンターの駐車場は満杯だし、街路も公園も常の休日より人が多い。TVのニュースでは出国ラッシュだの帰省ラッシュだのと言っていたが、近場で過ごしている人も多い。わたしたちも、舅に昨日電話しただけで、正月に会ったのは何年も前のことだ。

 

 電線のない公園の空に、たくさんの凧が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

●1月3日(金)

 元日と同じく、日の出る少し前に家を出て、都心へ。

 今日は本物の都心。都心中の都心。TVでしか見たことのない世界で、お上りさん気分になった。

 江戸城のお濠端を半蔵門辺りから、ランナーに脅かされながらトロトロと歩き、懐かしい日比谷公園へ。むかーし、よく神保町から歩いて来たし、97年からは年に一度、誰かさんに会いに来た。

去年の正月にも来た。野音を扉越しに臨み、今度はいつ来られるかと話し合った。

今日も同じ場所に立ったが、夫の歌を聴きながら泣けてきた。もう、ここに来ることはないのだろう。楽しかったあの日々は戻らない。無惨にも死んでしまった不世出のロッカーを思い、悲しくてならなかった。

 

 ところで、日比谷公園に着いたとき、前方、有楽町方面に黒煙が上がっていた。そう言えば電車内の電光掲示板に、6時42分ころ起きた有楽町での沿線火災のため京浜東北線が止まっていると出て、その後、不通は山手線、東海道線と拡大していっていた。けれども火災発生時刻から2時間半くらい経っているはず。何がどうなっているのか? 煙の臭いは公園にも届いているが、まだ鎮火していないのか? てっきりボヤか何かだと思っていたのに。

 あとで知ったが、鎮火したのは13時くらいだそうだ。新幹線も止まり、大変な騒ぎになっていたらしい。

 

 公園を歩いた後、地下鉄で某社に移動。初めてお参りしたがとってもよいお社で、明るい幸せな気持ちになれた。

 

 

 

 

 

●1月31日(金)

 月暦一月朔日。

 ということで、カレンダーを掛け替えた。

 このカレンダーを使い始めて何年になるだろう。月齢や陰暦併記のカレンダーは見かけるが、月暦が主のものはほかに見たことがない。酔狂な……という気もしないではないが、これで案外便利なものだ。

 

 明日は図書館へ行けるだろうか。遅々として進まぬ「英国工党」。身の丈に合わぬことを始めたと、正直いって後悔している。

 いつも言うが、漢文も現代中国語もあやふやな人が、漢文と中国語とのあわいの文章を読もうというのだから、土台むちゃな話。

 諸橋大先生、助けてください。

 でも、いくら辞書を引いたところで、文として意味をなかなか結んでくれない。

 なにせ相手は挙人様。しかも駢文を得意としていた御仁だ。本人は平易な口語文のつもりで書いているのだが、こっちの頭は到底ついていけない。

 などと、泣き言を並べてみても、どうにもならないのだけれど。

 

 今日は異常に暖かかった。暑いといってもよいくらい。

 でも、来週は寒くなるとか。週間予報で最低気温−2度の日があった。東京で−2ということは、単純計算で、ここは−7度……。

 もう慣れたけどね。

 

 

 

 

 

 

 

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