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多摩丘陵から 〜日記のようなもの      

 

2012年4月 3日 5日 30日

 

●4月3日(火)

 嵐なので、電車が止まる前に帰ってきた。どうせ月初めで暇だし。

 

 昨日の時点での桜の開花状況。市ヶ谷のお濠はちらほら。飯田橋の再開発地区の日本橋川は、咲いている木もあるが、ほとんどはまだ咲きそうにない。江戸城の濠端も同様。竹橋のたもとで赤い枝垂れ桜が八分くらい。法務局の前から、武道館を背景にして、牛ヶ淵越しに見る桜が好きなのだが、こちらは今はぼうっと赤く見える。つぼみがふくらんでいるのだろう。

 

 雨粒が窓を叩いている。駅から帰る道、強風で傘の骨を折られてしまった。こういう日のために、十六本骨のを買おうか。

 

 

 

 

●4月5日(木)

 宋遯初先生生誕130年!!

 

 華やかに生誕祭を挙行したかったが、そんなことできるはずもない。せめてゆかりの場所へと思っても、どこへ行けばよいのやら。しようがないから、留学生会館跡を通りながら口の中でおめでとうと唱え、そのまま星台先生んちへ。その先に、サラサモクレンの通りがあるので足を伸ばしたが、まだまだ咲き始めたばかりだった。

 

桜はだいぶ咲いてきた。本郷の元町公園は今年も見事だ。この桜を志士の皆さんもと一瞬思ったが、それはないとすぐに打ち消した。元町公園は震災復興公園だから、できたのは昭和の初めだ。

神田近辺、三崎町から駿河台、神保町、西神田(西小川町)と、日頃わたしがうろついている辺りは、100年前、留学生が山ほど歩いていたところだ。神保町に中華料理店が多いのは、その名残と聞く。だから何となく、古い物はみな彼らも見ていた物と思ってしまう。

 

 

勤務中暇だったので、遯初君恋しさにGoogleの地図をのぞく。桃源県の県城に「漁父」のつく通りがあるのを見て、胸が詰まった。やはり郷土の偉人なんだ。「漁父祠」というのもあるが、これは彼のものだろうか。

どこかで彼のための催しをしていないだろうか。長沙か桃源で、どうだろう。

彼の評価というと、どうしても生臭い「現在」と関わってくる。それが厄介だが、生誕130年くらい、そんなことと関係なく「彼自身」を顕彰してほしい。

 

宋遯初先生、生誕130年、おめでとう!!

 

 

 

 

●4月30日(月)

 昨日は裸眼のライブ。裸眼はカスタネッツの元ちゃんのソロ活動で、助っ人の数によって呼称が変わる。昨夜はハックルの3人ということで、「裸眼4.0」だった。

対バンはスキップカウズ。以前、やはりカスタの対バンで見たことある。調べたら05年7月ということで7年ぶりだが、あまり変わった印象はない。たたずまいはコミックバンド的だが、曲自体はアニメのエンディングにでも流せば、それなりに聴いてもらえそうな、可もなく不可もないラブソング群。

 

そんなことより、裸眼だ!

よかった。とにかくよかった。

「時間」なんて、好きな曲で、何回聴いたか分からない曲なのに、今回初めて詞が身に入ってきた気がした。初めて意味が分かった気がした。そんなはずはないのだが、そんな気がしてしまうくらい、今回の「時間」はよかった。カスタとは若干アレンジが違ったように思うが、そのためではないと思う。たぶん元ちゃんの成長ゆえだろう。

「裸眼」も、アンコールの「変わりゆく今よ」も、すばらしかった。

 知らない曲も何曲かあり、音源化が楽しみだ。もっと何度もライブにかけて、練って欲しい。詞も曲も。

 

 いつも思うのだけれど、この人は歌っている時とそのほかとで、まるで生き物が違う。もちろんミヤジだってそうだし、アーティストなのだから当然なのだろうけれど、それにしても落差が大きい。

 ミヤジ同様、目の光が尋常でなくなるのだが、元ちゃんは顔自体が違っている。いつもの照れ笑いの元ちゃんが、曲に入った途端に化け物になる。萩尾望都の描く阿修羅王みたいだ(興福寺のではなく)と、昨夜は思った。

 

 幸せな夜だった。ありがとう!

 

 

 

 

 

 

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